リアル(OOH)の復権

体の芯から冷える気温が低い日に、屋外ビジョンに流れていたのは鍋料理の映像。帰宅途中にこれを見た人は、ついつい鍋の具材を買ってしまう・・・
こうした行動変容を起こさせる「いつ」「誰に」「何を」を指定した屋外広告が、少しずつ増えています。
実はデジタル広告と同程度に効果検証ができるようになり、リアルな“場”の価値が見直され始めているのです。
 
 効果検証ができない屋外広告より、数字が可視化できるデジタル広告に予算を使いたい・・・多くの企業ではこうした考えが一般的になっていました。ところが、近年はデジタル化が進み、デジタル広告と同じレベルで、デジタルOOH(Out Of Home、家庭以外の場所で展開するメディアの総称)の効果検証ができるようになってきました。そこで、看板や大型ビジョンなどの屋外広告、電車内の中づり広告や駅構内のサイネージといったリアルな“場”の価値が見直され始めています。

屋外広告としての看板

今回は、広告としての看板をご説明します。
屋外広告(OOH: Out-of-Home Advertising)は、消費者が日常生活の中で目にするさまざまな広告メディアを指します。屋外広告にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
 

1. 看板広告

特徴: 大型の固定式広告で、高速道路や繁華街など、交通量の多い場所に設置されることが多いです。サイズが大きく、遠くからでも視認できるため、目立つデザインやシンプルなメッセージが重要です。
メリット: 広範囲の人々にアピールでき、インパクトが強いです。特にブランド認知度を高めるのに有効です。
デメリット: 制作コストや設置費用が高い場合があり、デザインの変更が手間です。

 

2. デジタルサイネージ

特徴: 電子ディスプレイを使った広告で、動画やアニメーションを表示できるため、視覚的に訴える力が強いです。駅、商業施設、ビルの外壁などに設置されます。
メリット: 動的なコンテンツを表示できるため、よりクリエイティブな広告表現が可能です。また、データを用いたターゲティングができる場合もあります。
デメリット: 設置コストが高い場合があり、機器のメンテナンスが必要です。

 

3. 交通広告(トランジット広告)

特徴: バス、電車、タクシーなどの車両に掲出される広告や、駅、バス停の広告です。都市部では多くの人が公共交通機関を利用するため、広範囲にリーチできます。
メリット: 動くメディアなので、多くの場所で目に触れるチャンスがあり、通勤・通学中の長時間接触が可能です。
デメリット: 広告の露出が一時的で、視認できる時間が短いことがあります。

 

4. ポスター広告

特徴: 屋外の壁や掲示板、公共の掲示スペースなどに貼られる印刷広告です。サイズや設置場所に柔軟性があり、特定のターゲット層を狙った広告展開が可能です。
メリット: 比較的安価で、短期間で多くの場所に掲出できるため、ローカルなキャンペーンに向いています。
デメリット: 長期間の設置には向いておらず、破損や汚損のリスクがあります。

 

5. バナー広告

特徴: 道路や広場の上部、もしくはフェンスや建物の外側に設置される布製の広告です。地域のイベントや特定のキャンペーンに使用されることが多いです。
メリット: 目立つ場所に設置でき、歩行者や車両の流れに合わせて露出することができます。
デメリット: 天候に左右されやすく、耐久性の問題があります。

 
他にも「プロジェクションマッピング広告」や「ゲリラ広告」などがあります。
これらの屋外広告は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、ターゲット層や目的に応じて使い分けることが重要です。
 
次回はいわゆる一般的な「看板」について触れようと思います。

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